大淀級軽巡洋艦 (日本海軍, 1942)

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大淀級軽巡洋艦(おおよどきゅう・けいじゅんようかん Oyodo class light cruisers)は、日本海軍艦艇のタイプ。基本計画番号 C42。

概説

 日本海軍の軽巡洋艦の用法には特殊なものがあって、数個駆逐隊もしくは潜水隊を束ねた水雷戦隊や潜水戦隊に、独立旗艦として軽巡洋艦を配した。その用法自体には、利点は少なくない。まず、巡洋艦は駆逐艦よりも強力な火力を持っているので、機先を制することができる。一方、日本の巡洋艦は伝統的に魚雷戦能力を重視していたので魚雷戦では駆逐艦と行動を共にできる。さらに航空機を搭載している場合が多いので、偵察能力を活用できる。また、特に潜水艦は通信能力が貧弱であることが多いので、巡洋艦の通信能力を利用できることも利点であった。ただし、駆逐艦や潜水艦の整備がほとんど中断なく行われていたのに対し、軽巡洋艦の整備は大正期の設計である川内級以後行われていなかった。したがって、配下である駆逐艦・潜水艦に比べて旗艦たる軽巡洋艦の能力に見劣りすることが多くなった。そのため、昭和14年の第四次補充計画で水雷戦隊および潜水戦隊旗艦となるべき軽巡洋艦の建造が認められた。このうち、潜水戦隊旗艦用として計画されたのが大淀級で、当初2隻が計画されたが戦争の勃発により1隻はキャンセルされた。 大淀に求められていたのは、延伸の一途にあった潜水艦の航続力に匹敵できるだけの大航続力と、配下潜水艦の能力を補完するための強力な通信能力、そして偵察能力であった。計画段階では「主砲なし」という極端な案も出されたが、結局は最上級から降ろした15.5cm砲を流用することとなった。しかし実際には大淀の主兵装は後部甲板に設置される45m大型カタパルトと、大型格納庫に収容された高速水偵「紫雲」6機だった。しかし大淀が完成した昭和18年当時には、すでに潜水艦の用法は大きく様変りしており、基地に固定した旗艦もしくは陸上基地から直接個々の潜水艦を指揮するようになっており、潜水戦隊旗艦が洋上遠く進出してまとまった数の潜水艦を直接指揮するようなことはもはや考えられなくなってしまっており、大淀は完成したものの用途がなかった。しかも実際の主要兵装ともいうべき「紫雲」は開発に手間取ってついに間に合わず、完成直後には南方への緊急輸送に使用される始末だった。昭和19年に入って、大淀をGF旗艦とするという構想が急浮上した。GFはそれまで常に最強の戦艦上に司令部を置いて陣頭に立つというのが建前だったが、広大かつ複雑な戦場をその態勢で適切に指揮することは困難になりつつあり、むしろ陸上に司令部を置くべきという意見もあったが、やはりGF司令部は洋上にあるべしという意見も根強く、その妥協点として当面使いみちの見当たらない大淀を旗艦として内海から指揮をとることとなった。大淀はその計画の段階から通信能力に重きを置いており、何よりも通信能力の求められるGF旗艦にはもってこいで、しかも本来「紫雲」6機を収容するはずだった巨大な格納庫がまるまる空家になっていた。ここを司令部設備に改造すれば大所帯のGF司令部も充分収容できる。こうして大淀はGF旗艦となったが、着任すべき古賀GF長官の殉職により、後任の豊田長官が着任したのは19年5月となった。マリアナ沖海戦の指揮は大淀上からとられた。しかし、この海戦後GF司令部はついに陸上にあがり、大淀は再度ヒラの巡洋艦となって比島海戦に参加、以後内海にあったが終戦直前の呉空襲により大破転覆した。

主要要目

排水量: 基準 8164t, 公試 10,252t, 満載 11,433t
長さ: 垂線間長 180m, 水線長 189m, 全長 192.1m
全幅: 16.6m
喫水: 5.95m
機関: 4軸 艦本式減速タービン(高中低圧) 4基, ロ号艦本式缶 6基 (重油専焼), 110,000shp
速力: 35ノット
装甲: 水線帯 50mm, 甲板 35mm, 砲塔 25mm
兵装: 15.5cm/60口径砲 三連装2基 6門, 10cm/65口径高角砲 連装4基 8門, 25mm対空機銃 12門, 航空機 2機
乗員: 不明

一覧

計画 艦名 建造 起工 進水 就役 艦歴 記事
昭14 大淀 Oyodo 呉工廠 1941.02.14 1942.04.02 1943.02.28 二等巡洋艦 1945.07.28 大破擱座 (航空攻撃)
1945.11.20 除籍
江田島
昭14 仁淀 Niyodo 建造中止


日本海軍の軍艦 (斜体 未成)
主力艦東級 (), 龍驤級 (龍驤), 扶桑級 (扶桑), 金剛級 (金剛, 比叡), 鎮遠級 (鎮遠), 富士級 (富士, 八島), 敷島級 (敷島, 初瀬), 朝日級 (朝日), 三笠級 (三笠), 石見級 (石見), 相模級 (相模, 周防), 肥前級 (肥前), 丹後級 (丹後), 壱岐級 (壱岐), 見島級 (見島, 沖島), 筑波級 (筑波, 生駒), 鹿島級 (鹿島, 香取), 薩摩級 (薩摩, 安芸), 伊吹級 (伊吹, 鞍馬), 摂津級 (摂津, 河内), 金剛級 (金剛, 比叡, 榛名, 霧島), 扶桑級 (扶桑, 山城), 伊勢級 (伊勢, 日向), 長門級 (長門, 陸奥), 加賀級 (加賀, 土佐), 天城級 (天城, 赤城, 高雄, 愛宕), 紀伊級 (紀伊, 尾張, 第11号艦, 第12号艦), 第13号艦級 (第13号艦, 第14号艦, 第15号艦, 第16号艦), 大和級 (大和, 武蔵, 信濃, 第110号艦), B64型
航空母艦鳳翔級 (鳳翔), 翔鶴級 (翔鶴), 赤城級 (赤城), 加賀級 (加賀), 龍驤級 (龍驤), 蒼龍級 (蒼龍), 飛龍級 (飛龍), 翔鶴級 (翔鶴, 瑞鶴), 瑞鳳級 (瑞鳳, 祥鳳), 龍鳳級 (龍鳳), 隼鷹級 (隼鷹, 飛鷹), 大鳳級 (大鳳), 千歳級 (千歳, 千代田), 信濃級 (信濃), 雲龍級 (雲龍, 天城, 葛城, 笠置, 生駒, 阿蘇), 伊吹級 (伊吹), 大鷹級 (大鷹, 雲鷹, 冲鷹), 海鷹級 (海鷹), 神鷹級 (神鷹)
巡洋艦浪速級 (浪速, 高千穂), 畝傍級 (畝傍), 松島級 (松島, 厳島, 橋立), 秋津洲級 (秋津洲), 吉野級 (吉野), 和泉級 (和泉), 済遠級 (済遠), 千代田級 (千代田), 須磨級 (須磨, 明石), 高砂級 (高砂), 笠置級 (笠置, 千歳), 浅間級 (浅間, 常磐), 八雲級 (八雲), 吾妻級 (吾妻), 出雲級 (出雲, 磐手), 対馬級 (対馬, 新高), 春日級 (春日, 日進), 音羽級 (音羽), 阿蘇級 (阿蘇), 宗谷級 (宗谷), 津軽級 (津軽), 鈴谷級 (鈴谷), 利根級 (利根), 淀級 (, 最上), 筑摩級 (筑摩, 平戸, 矢矧), 天龍級 (天龍, 龍田), 球磨級 (球磨, 多摩, 木曽, 大井, 北上), 長良級 (長良, 五十鈴, 由良, 名取, 鬼怒, 阿武隈), 川内級 (川内, 神通, 那珂, 加古), 夕張級 (夕張), 古鷹級 (古鷹, 加古), 青葉級 (青葉, 衣笠), 妙高級 (妙高, 那智, 羽黒, 足柄), 高雄級 (高雄, 愛宕, 鳥海, 摩耶), 最上級 (最上, 三隈, 鈴谷, 熊野), 利根級 (利根, 筑摩), 香取級 (香取, 鹿島, 香椎, 橿原), 阿賀野級 (阿賀野, 能代, 矢矧, 酒匂), 五百島級 (五百島, 八十島), 大淀級 (大淀, 仁淀), 伊吹級 (伊吹, 第301号艦)
砲艦
コルベット
咸臨丸級 (咸臨丸, 朝陽丸), 観光丸級 (観光丸), 筑波級 (筑波), 雷電級 (雷電), 陽春級 (陽春), 春日級 (春日), 富士山級 (富士山), 千代田形級 (千代田形), 丁卯級 (第一丁卯, 第二丁卯), 孟春級 (孟春), 雲揚級 (雲揚), 鳳翔級 (鳳翔), 日進級 (日進), 浅間級 (浅間), 乾行級 (乾行), 清輝級 (清輝), 迅鯨級 (迅鯨), 天城級 (天城), 磐城級 (磐城), 筑紫級 (筑紫), 海門級 (海門), 天龍級 (天龍), 葛城級 (葛城, 大和, 武蔵), 摩耶級 (摩耶, 鳥海, 愛宕, 赤城), 高雄級 (高雄), 八重山級 (八重山), 千島級 (千島), 大島級 (大島), 龍田級 (龍田), 平遠級 (平遠), 操江級 (操江), 鎮東級 (鎮東, 鎮西, 鎮南, 鎮北, 鎮中, 鎮辺), 湄雲級 (湄雲), 広丙級 (広丙), 宮古級 (宮古), 千早級 (千早), 宇治級 (宇治), 隅田級 (隅田), 満州級 (満州), 姉川級 (姉川), 伏見級 (伏見), 鳥羽級 (鳥羽), 嵯峨級 (嵯峨), 安宅級 (安宅), 勢多級 (勢多, 堅田, 比良, 保津), 熱海級 (熱海, 二見), 橋立級 (橋立, 宇治), 伏見級 (伏見, 隅田), 多多良級 (多多良), 須磨級 (須磨), 唐津級 (唐津), 舞子級 (舞子), 鳴海級 (鳴海), 興津級 (興津)
水上機母艦若宮級 (若宮), 能登呂級 (能登呂), 神威級 (神威), 千歳級 (千歳, 千代田), 瑞穂級 (瑞穂), 日進級 (日進), 秋津洲級 (秋津洲)
潜水母艦豊橋級 (豊橋), 韓崎級 (韓崎), 駒橋級 (駒橋), 迅鯨級 (迅鯨, 長鯨), 大鯨級 (大鯨), 剣埼級 (剣埼, 高崎)
敷設艦津軽級 (津軽), 阿蘇級 (阿蘇), 勝力級 (勝力), 常磐級 (常磐), 厳島級 (厳島), 白鷹級 (白鷹), 八重山級 (八重山), 沖島級 (沖島), 初鷹級 (初鷹, 蒼鷹, 若鷹, 朝鳥), 津軽級 (津軽), 箕面級 (箕面)
駆逐艦一等海風級, 浦風級, 磯風級, 谷風級, 峯風級, 神風級, 睦月級, 吹雪級, 暁級, 初春級, 白露級, 朝潮級, 陽炎級, 夕雲級, 島風級, 秋月級, 松級, 橘級
二等桜級, 樺級, 桃級, 榎級, 樅級, 若竹級
三等雷級, 叢雲級, 暁級, 白雲級, 春雨級, 文月級, 皐月級, 巻雲級, 朝風級
水雷艇千鳥級, 鴻級
潜水艦一等海大I型, 海大II型, 巡潜I型, 海大IIIa型, 機雷潜型, 海大IIIb型, 海大IV型, 海大V型, 巡潜I改型, 海大IVa型, 巡潜II型, 巡潜III型, 海大VIb型, 丙I型, 甲I型, 乙I型, 海大VII型, 乙II型, 丙III型, 甲II型, 甲改型, 乙III型, 乙IV型, 丙II型, 丙IV型, 丁I型, 丁II型, 特型, 潜補型, 潜高型, 伊501級, 伊503級, 伊504級, 伊505級, 伊506級
二等海中I型, F1型, L1型, 海中II型, L2型, 海中III型, F2型, L3型, 海中IV型, L4型, 海中特型, 海中V型, 海小型, 海中VI型, 呂500級, 潜輸小型, 潜高小型
三等ホランド型, 海軍ホランド型, C1型, C2型, ビッカース川崎型, S1型, C3型, S2型
護衛艦艇海防艦占守級, 択捉級, 御蔵級, 鵜来級, 丙型, 丁型海防艦, 甲型, 乙型海防艇
哨戒艇第1号級, 第31号級, 第46号級, 第101号級, 第102号級, 第103号級, 第104号級, 第105号級, 第106号級, 第107号級, 第108号級, 第109号級哨戒艇, 第1号級哨戒特務艇
掃海艇第1号級, 第5号級, 第13号級, 第17号級, 第7号級, 第19号級, 第101号級掃海艇, 第1号級, 第101号級, 第104号級掃海特務艇
駆潜艇第1号級, 第3号級, 第4号級, 第13号級, 第28号級駆潜艇, 第251号級, 第101号級, 第102号級, 第103号級, 第111号級, 第112号級, 第117号級, 第1号級駆潜特務艇
敷設艇燕級, 夏島級, 猿島級, 測天級, 網代級, 神島級敷設艇, 測天級, 第1号級, 第101号級敷設特務艇
特務艦練習船摂津級, 肇敏級, 石川級, 館山級, 干珠級
工作艦朝日級, 関東級, 明石級
運送艦松江級, 高崎級, 労山級, 青島級, 膠州級, 志自岐級, 剣埼級, 洲埼級, 室戸級, 野間級, 知床級, 隠戸級, 神威級, 間宮級, 宗谷級, 樫野級, 野埼級, 杵埼級, 伊良湖級, 足摺級, 洲埼級, 大瀬級, 風早級, 速吸級, 針尾級, 鞍埼級, 玉野級
砕氷艦大泊級
測量艦大和級, 筑紫級
標的艦摂津級, 矢風級, 波勝級, 大浜級
電纜敷設艇初島級
輸送艦第1号級, 第101号級, 第103号級
FAC水雷艇第1号級, 小鷹級, 第5号級, 第21号級, 第22号級, 第26号級, 第27号級, 第28号級, 福龍級, 隼級, 白鷹級, 第29号級, 第39号級, 第50号級, 第67号級
魚雷艇
砲艇
第10号級, 第11号級, 第1号級, 第151号級, 第201号級, 第206号級, 第220号級, 第235号級, 第241号級, 第301号級, 第327号級, 第411号級, 第468号級, 第469号級, 第474号級, 第491号級, 第538号級, 第101号級, 第102号級, 第113号級, 第114号級, 第1号隼級, 第2号隼級, 第10号隼級, 第27号隼級, 第74号隼級, 第101号隼級
特設艦船巡洋艦, 敷設艦, 急設網艦, 航空母艦, 水上機母艦, 航空機運搬艦, 水雷母艦, 潜水母艦, 掃海母艦, 砲艦, 輸送艦, 捕獲網艇, 防潜網艇, 敷設艇, 駆潜艇, 掃海艇, 監視艇, 運送艦, 運送船, 工作艦, 港務艦, 測量艦, 砕氷船, 電線敷設船, 病院船, 救難船, 雑役船