大鳳級航空母艦 (日本海軍, 1943)

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大鳳級航空母艦(たいほうきゅう・こうくうぼかん Taiho class aircraft carrier)は、日本海軍艦艇のタイプ。昭和14年度計画により1隻が建造された。英国で建造された空母にならい、日本の空母として初めて飛行甲板に装甲を施した。重心の上昇を防ぐために飛行甲板の位置を低くし、そのため搭載機数はやや少なくなった。敵の攻撃をうけても運用を継続することを狙ったが、就役は昭和19年にずれこんだ。基本計画番号 G13。

概説

 日本海軍はワシントン・ロンドン軍縮条約以来、常に劣勢な兵力での対米作戦を構想する立場を強いられてきたが、その中で唯一対等な勢力での作戦を期待できたのが空母戦力だった。日本海軍は少なくとも空母についてだけは対米同数を目標にして整備を続けており、実際開戦時には隻数ベースで米海軍をわずかに上回っていたのである。しかし無条約時代に入って自由建艦競争になると、遅かれ早かれ日本は米国に凌駕されることになる。事実米国は大建艦計画を成立させており、日本にはとてもそれに追随するだけの財政的余裕はなかった。そこで日本海軍は空母戦力においても、量の劣勢を質で補うという手段に訴えざるを得なくなったのである。その帰結が大鳳級であった。大鳳級の建造理念は、空母をまず洋上を機動する航空基地であると考えたところから発する。それまでの空母のように飛行甲板に一発爆弾を食ったらそれで戦闘力を失うようなものではなく、敵航空攻撃下においても機能を停止することなく作戦を継続できることを目的としたのである。そのためには搭載機数の減少も忍ぶ、というのである。このために飛行甲板それ自体を防禦甲板とし、さらに対魚雷防禦など最善の防禦策をほどこす。そして燃料や弾薬などの消耗品を多数用意して、もし他空母が損害を被って搭載機が帰艦できなくなったときはそれらの他空母機を受け入れ、燃料弾薬を装備してまた送り出す。あるいはさらに積極的に、味方空母よりも敵方に位置して、他空母を発進した機体に燃料などを補給して航続距離を延伸させ、かつは味方空母を敵の空襲から守るという意図をもって設計された。こうして大鳳では飛行甲板自体に装甲を施した。このため、飛行甲板の高さを低くおさえざるを得なくなり、飛行甲板はこれまでに比べて1甲板分低くなり、ひいては居住区が圧迫されて格納庫容積が小さくなり、搭載機数も少なくなった。前部・中部・後部の三ヶ所が標準だった昇降機(エレベーター)についても、昇降機間を装甲甲板とするために中部昇降機を廃して二ヶ所としたが、搭載機が減ったために問題はないとされた。飛行甲板高さが低くなったため、波浪の前甲板への打ち込みを防ぐために標準的なオープン・バウではなく英空母でよく見られるクローズド・バウとなった。さらに対魚雷防禦なども考え得る限りの対策が施された。大鳳のもうひとつの特徴としては、右舷中央部に煙突と一体として設けられた大型の島式艦橋である。飛行甲板高さが低くなったためにこれまでのような下向き湾曲煙突は採用できなくなり、上向き煙突を採用せざるを得なくなった。風洞実験を重ねた結果、外方に26度傾ければ飛行甲板上の気流を乱すことがないことが判明し、この傾斜煙突が採用された。傾斜煙突はあらかじめ隼鷹級で実験的に採用されたが、その結果は良好で以後の大型空母の煙突の標準となった。機関には翔鶴級と同一のものが採用されたが、装甲の強化などにより船体が大型化したため速力はやや低下している。大鳳は開戦直前に川崎重工で起工されたが、開戦当時着工済みの正式空母は大鳳だけであった。ところが昭和17年6月、ミッドウェー海戦で一挙4隻もの正式空母を失うと、着工済みの正式空母が1隻だけであるという状況は当局者を不安に陥れた。大鳳の建造は促進されるとともに、大鳳の改良型が急遽計画された。昭和18年から19年にかけて、日本海軍では対米反攻作戦を計画していたがその大前提が大鳳の参加であった。当時日本海軍首脳部が大鳳にかけた期待は大きなものがあった。昭和19年3月、待望の大鳳が竣工するとただちに機動部隊の旗艦となり、小沢長官が将旗を掲げた。大鳳を中核とする機動部隊で米艦隊を迎え撃つ「あ号作戦」が立案され、6月の米軍マリアナ侵攻にともなって発動された。この作戦で大鳳をはじめとする機動部隊から攻撃隊が発進するちょうどその時米潜水艦による雷撃を受け、右舷前部に1発被雷した。しかしこの被雷では大きな損害はなく、大鳳は何事も無かったかのように作戦行動を継続していたが、この被雷によって船底の軽質油庫からガソリンが漏れて気化しはじめた。やがてこの気化ガスに引火し、大爆発を起こした大鳳は全軍の期待を負いながら竣工後わずか3ヶ月で海の藻屑となった。

主要要目

排水量: 基準 29,300t, 公試 33,660t, 満載 33,720t
長さ: 垂線間長 238.0m, 水線長 253.0m, 全長 260.0m
全幅: 27.7m
喫水: 9.59m
機関: 4軸 艦本式減速タービン(高中低圧) 4基, ロ号艦本式缶 8基 (重油専焼), 160,000shp
速力: 33.3ノット
燃料: 重油 5700t
航続距離: 10,000浬/18ノット
装甲: 水線帯 55mm (機関部), 150mm (弾薬庫), 飛行甲板 78mm, 上甲板 125mm
兵装: 10cm65口径高角砲 連装6基 12門, 25mm機銃 三連装22基 66門, 航空機 53機 (常用52, 補用1)
飛行甲板: 長さ257.5m x 幅30.0m
乗員: 1751

一覧

計画 艦名 建造所 起工 進水 就役 艦歴 記事
昭14 大鳳 Taiho 川崎神戸 1941.07.10 1943.04.07 1944.03.07 航空母艦 1944.06.19 戦没 (被雷)
1945.08.26 除籍
フィリピン海
(米潜 Albacore)


日本海軍の軍艦 (斜体 未成)
主力艦東級 (), 龍驤級 (龍驤), 扶桑級 (扶桑), 金剛級 (金剛, 比叡), 鎮遠級 (鎮遠), 富士級 (富士, 八島), 敷島級 (敷島, 初瀬), 朝日級 (朝日), 三笠級 (三笠), 石見級 (石見), 相模級 (相模, 周防), 肥前級 (肥前), 丹後級 (丹後), 壱岐級 (壱岐), 見島級 (見島, 沖島), 筑波級 (筑波, 生駒), 鹿島級 (鹿島, 香取), 薩摩級 (薩摩, 安芸), 伊吹級 (伊吹, 鞍馬), 摂津級 (摂津, 河内), 金剛級 (金剛, 比叡, 榛名, 霧島), 扶桑級 (扶桑, 山城), 伊勢級 (伊勢, 日向), 長門級 (長門, 陸奥), 加賀級 (加賀, 土佐), 天城級 (天城, 赤城, 高雄, 愛宕), 紀伊級 (紀伊, 尾張, 第11号艦, 第12号艦), 第13号艦級 (第13号艦, 第14号艦, 第15号艦, 第16号艦), 大和級 (大和, 武蔵, 信濃, 第110号艦), B64型
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砲艦
コルベット
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二等海中I型, F1型, L1型, 海中II型, L2型, 海中III型, F2型, L3型, 海中IV型, L4型, 海中特型, 海中V型, 海小型, 海中VI型, 呂500級, 潜輸小型, 潜高小型
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